富士通、令和2年度全国発明表彰「特許庁長官賞」を受賞

TOKYO, Sep 24, 2020 - (JCN Newswire) - 当社の光通信技術に関する発明(以下、本発明)が、このほど公益社団法人発明協会(所在地 東京都港区、会長 野間口有、以下、発明協会)が主催する「令和2年度全国発明表彰」において、「特許庁長官賞」を受賞しました。受賞対象は、2009年に当社が出願し、2014年に特許として登録された「大容量光通信用ディジタルコヒーレント受信システムの発明(特許第5444877号)」です。

本発明は、光ファイバー通信で発生する波形のひずみをデジタル信号処理により補償するデジタルコヒーレント(注1)受信システムに関するものです。

本発明は、当社の光伝送システムだけではなく、多くの通信機器メーカーの製品にも採用されており、デジタルコヒーレント受信システムを用いた大容量光伝送システムの実用化と普及に貢献しています。

全国発明表彰について
全国発明表彰は、発明協会が我が国における発明などの完成者ならびに発明の実施および奨励に関し、功績のあった方々を顕彰することにより、科学技術の向上および産業の発展に寄与することを目的として行っているものです。

その中でも「特許庁長官賞」は、科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ顕著な実施効果を挙げている発明の中で、特に優秀と認められるものに贈呈されるものです。

受賞概要
受賞者(注2)
特許庁長官賞:
小泉 伸和 富士通アドバンストテクノロジ株式会社
星田 剛司 富士通株式会社
谷村 崇仁 富士通株式会社
中島 久雄 富士通株式会社
中牟田 浩志 富士通アドバンストテクノロジ株式会社
中山 典保 富士通アドバンストテクノロジ株式会社

発明実施功績賞(注3): 代表取締役社長 時田 隆仁

受賞技術

1. 背景と従来技術
膨大な通信トラフィックを支える光通信は、近年急速に大容量化が進んでいます。光ファイバーを通して伝送される光信号は、通信距離が長くなればなるほど、偏波モード分散(注4)などの光ファイバー特有のひずみが発生し、光信号が劣化してしまいます。そこで、以前よりこの光信号のひずみをデジタル信号処理によって完全に補償できるデジタルコヒーレント方式の実用化が進められてきましたが、ひずみが大きくなると、デジタル信号処理の基礎となるサンプリング処理(注5)を適切に行うことができなくなるため、ひずみの影響を受けない常に安定した信号受信が困難になるという課題がありました。

2. 発明技術
当社は、偏波モード分散などの光信号のひずみがどれだけ大きくとも、その影響を受けずに適切なサンプリングのタイミングを算出できる独自の信号処理アルゴリズムを開発し、常に安定した信号受信を可能にするデジタルコヒーレント方式の受信システムを発明しました。これにより、従来のデジタルコヒーレント方式では実現が困難だった大容量・長距離の光伝送システムの実現に寄与するとともに、デジタルコヒーレント方式の適用範囲を大幅に拡大することで、ネットワークの低コスト化に貢献しています。

3. 産業上の応用
本発明は、当社の光伝送システムに組み込まれ、高速大容量の光ネットワークを支えています。また、国内外の多くの通信機器メーカーの製品にも採用されています。さらに、本格化する5G時代のデータ流通を支えるコアネットワークの主要構成要素として、様々なICTサービスやアプリケーションの発展にも貢献していきます。

本リリースの詳細は下記をご参照ください。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2020/09/24-1.html

概要: 富士通株式会社

詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。


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